お断り:スクウェア・エニックス合併と『UNLIMITED Sa・Ga』FLASH事件は「お知らせ」には掲載しなかったのですが、重大事件なので事後ですがここに記録しておきます。ご了承下さい。
2002年11月26日、株式会社スクウェア(和田洋一社長)と株式会社エニックス(本多圭司社長)が合併を発表しました。存続会社はエニックスで、合併比率はスクウェア0.81、エニックス1。これは両者の株価の引き替え比率で、両者の力関係をほぼ表しています。早い話がエニックスによるスクウェアの吸収合併です(法律上完全な対等合併は出来ず、どちらかが解散しなければならない)。
0.81対1という合併比率を不服としたスクウェア元社長で、筆頭株主の宮本雅史氏の反対(これにより2003年1月14日、合併比率を0.85対1に変更し妥協)などの紆余曲折はあったものの、2003年2月13日に開かれた両者それぞれの株主総会で正式に可決され、4月1日合併しました。会長に旧エニックス会長の福嶋康博氏、代表取締役社長に旧スクウェア社長の和田洋一氏が就任しました。
エニックスは『DRAGON QUEST』や『Star Ocean』シリーズなどの販売を手がけていますが、これまで自社開発を行っておらず、全て外注でした。スクウェアとの合併で、自社開発を持つことになりますが、これまでエニックスが手がけてきた外注作品とは今後も当分は独立して開発を続けるようです。
2002年7月、スクウェアはSa・Gaシリーズ最新作として『UNLIMITED Sa・Ga』(PS2)を発表し、サイトを公開した…のですが、問題は冒頭にあるこのFLASH。
http://www.playonline.com/usaga/saga_opening.html(現在は削除済み。U-Sa・Ga現在の一面はhttp://www.playonline.com/usaga/)
過去のSa・Gaシリーズを紹介する字幕から、『時空の覇者 Sa・Ga3』が無視されていたのです!
『Sa・Ga3』が多くの批判に晒されてきたのは事実であり、「Sa・Gaシリーズとは認めない」という強硬な批判も少なくありません。
もちろん、作品の評価は人それぞれであって、「Sa・Gaシリーズとは認めない」という評価を下す人がいても残念ながら仕方がありません。ゲームは出された作品が全てなのですから。
しかし、スクウェアは紛れもなく『時空の覇者 Sa・Ga3』を『Sa・Ga』シリーズの一員として開発し、販売した側です。いかに批判されようとも、スクウェアが後悔したとしても、開発者が大阪開発部(当時。現在は独立)だから他のSa・Gaシリーズとは別だと言い訳しても、この事実は消せません。スクウェアのSa・Ga3隠滅はファンが「Sa・Gaシリーズとは認めない」という評価を下すのと、全く意味が異なるのです。
スクウェアの行為は自らの歴史を改竄しようとするものであり、絶対に容認できるものではありません。私は声を大にしてスクウェアの暴挙に抗議します。
なお、2chのゲームボーイのサガシリーズはクソゲーか。の689番さんと691番さんの書き込みによると、『TOBAL No.1』(1996年8月2日発売、PS)付録のFF7 体験版CD-ROM同時収録の『Sa・Ga Frontiea』(1997年7月11日発売、PS)でも、やはり過去のシリーズからSa・Ga3だけすっ飛ばして紹介した前科があったというのです。
これが本当なら、Sa・Gaシリーズからの『Sa・Ga3』抹殺の意図はいよいよ明らかです。
残念ながら、ネットでもこれを容認する見解は少なくないようです。『Sa・Ga3』はシリーズを一貫して製作した河津秋敏氏の作品ではないから、と。
だが、それならそれで「『Sa・Ga3』は河津作品ではないのでシリーズとは扱いません」とスクウェアは公に発表すべきなのです。余人ならともかく、『Sa・Ga3』をシリーズの一員として発売したのはスクウェアなのですから。
許せないのは、自らの過去をこっそり消そうとするスクウェア社の態度です。河津氏の意向かどうかは知りませんが、その行動は犯罪的です。だが、スクウェアがいかに策を弄そうと、『時空の覇者 Sa・Ga3』を消させはしませんし、絶対にその歴史は消せるものではありません!
『UNLIMITED Sa・Ga』は、12月19日に発売されました。
(2004/11/14追記)2003年6月26日発売のPS2用ソフトで、スクウェア・エニックスとしては初作品となった『半熟英雄 対 3D』には、将軍として『Sa・Ga3』のデューン君とミルフィーさん(登録名は「ミルフィ」)がゲスト出演しました。当然ながら、本作は河津氏の関わった作品ではありません。従って、『Sa・Ga3』抹殺は、スクウェア、あるいはスクウェア・エニックスという会社ではなく、河津氏の意向なのでしょう。
2002年3月20日、ついに『魔界塔士 Sa・Ga』WSC版が発売されました。といっても、19日には既に一部の店で出回っていまして、私もさっそく買ってきました。
白黒からカラーとなり、きれいになった画面と裏腹に、台詞のそっけなさが元のままなのが少し物足りませんが、これもこの作品らしさといえます。ちまちまと仲間を育てる喜びが堪りません。遅れてしまいましたが、今後本格的に取り上げて行きます。お薦め、です。