『時空の覇者　Sa･Ga3(以下『Sa･Ga3』)』は、前作『Sa･Ga2　秘宝伝説』に引き続き、プレイヤーが初期設定できず、ストーリーに応じて一時的に仲間になる人物、いわゆるNon Player Character(NPC)が登場します。基本的に前作と同じですが、種族は人間とエスパーに限定されています。どれも仲間に加わった時点の敵を倒すのに十分な実力を持っているので、特に最初に参加するメルローズさんは頼りになることでしょう。
　装備品の追加は出来ますが、取り外しが出来ないのも前作と同じです。ただし、武器の使用回数制限が無いため、より強い武器に取り替えることは出来ません。そのため、追加は防具中心となります。出来るだけ強い装備品を追加したいところですが…。
　ただし、NPCが加わる期間がかなり長く、4人だけで戦う機会が思ったより少ないのが、欠点といえば欠点です。
　また、最後に仲間に加わるボラージュさんは、主役の4人を食うほどの人気があります。これでエンディングでびしっと決めてくれれば…。

　デューンたちの兄貴分。シリューの実兄説もあるが、本当のところはどうなのだろう？
　ギル長老の作り上げた町、ダームを守る一方、デューンたちを幼いうちから特訓し、育て上げてきた。彼の作った「バトルトレーナー」は実戦を再現し、しかも経験値とケロがしっかり稼げる優れもの。腕っ節だけでなく、コンピュータ機械設計の才能もあるようだ。Sa･Ga3はバトルトレーナーでの特訓からスタートするが、ここでデューンたちがやられてしまい、メルローズ一人だけになって勝っても展開に変わりはない。ただし、当然デューンたちに経験値は入らない。
　初めはデューン、ポルナレフ、ミルフィーの「滅びの未来」から送られた3人だけで旅立つはずだったが、デューンの恋人であるシリューがどうしても同行したかったことから、彼女の頼みを引き受け、ステスロスの眠る神殿へ先回り。こうして、シリューも旅に加わることが出来た。さらに、メルローズもSa･Ga世界現在を出るまで同行することになる。
　デューンたちが過去に向かうとパーティーを離れ、ダームを守るため帰って行く。さらに、ダームが水没した後は、町を移し、Sa･Ga世界を守るため革命軍に参加。エンディングではボスキャラまで再現できる「バトルトレーナー2」を作り上げた。世界を救う目的もあるが、それ以前に根っからの戦い好き、メカ好きなのだと思う。一人称は「俺」。
　最初のうちは、いきなり北の塔に入ったりしない限りは、メルローズのおかげで全滅の心配はない。外の敵が不安なら、Lv5までバトルトレーナーで鍛えておけば万全。ちなみに、最初にバトルトレーナーで戦う敵（バタフライ＋ジプシー）はボス扱いなので、外で全く同じ組合わせに出会うと逃げられない。最初のうちは要注意。バトルアクスの攻撃は頼りになるが、人間なのでブリザドとファイアは全く当てにならない。
　装備品は、イレムに渡ってから揃えればこの時点で最強となる。
　なお、最初のバトルトレーナーの戦闘では、メルローズのバトルアクスを取り外すことが出来る。バトルアクスは過去世界にならないと買えない武器なので、ここで手に入るのはありがたい。この時点ではシリューがいないため、メルローズはNPCではなく、通常の仲間として扱われるからなのだ。

　過去世界の、イレムの少女。クロノスと幼なじみらしい。イラストと実物と全くキャラクターが違う例。イラストではチャイナドレスの拳法娘(前作のリンと同じですね)に見えるが、見ての通りエスパー。
　異次元の神々の一人、ドグラに掠われ、イレムのおおばばさまが救出に向かうが、デューンたちが代わりに引き受けることになる。しかし、フレイヤはドグラに洗脳され、襲いかかってくるのだ！　はじめてボスキャラのテーマ曲が掛かる戦いでもある。デューンは「傷つけないように戦うんだ、いいね！」と注意するが、彼女を倒しても正気を取り戻すだけなので、普通に戦って大丈夫。というより、下手に手加減すると痛い目を見る。フレイヤが正気を取り戻した後、おおばばさまに報告すると、お礼に海に潜れる魔法、サモンをくれる。
　ドグラを倒し、現在世界に向かうと、現在世界のギル長老に引き取られることになる（自動進行だが、倒す前なら起こらない）。未来世界ではパイパーで革命軍に参加。
　台詞が少ないので性格は分かりにくいが、能力の割におとなしい感じ。ただし、実力はあるので怒らせると恐ろしいことになりそうだ。一人称は「あたし」。
　ギル長老が「あの子の強い魔力は、いずれ町を救うやもしれん」と評価していたように、子どもながら魔法は強い。反面、手持ち武器はミスリルロッドなので、通常攻撃は全く期待できない。MPの使いすぎに注意しよう。また、フレイヤが仲間に加わった後、まだドグラを倒していない状態でおおばばさまにサモンをもらうと、現在世界の海底に潜りに行ける。敵は強いが、その分ムーで売っている装備品も優秀なので、是非とも行って置きたい。さらにフレイヤの装備を強化した上で、海底で苦戦しない程度まで鍛え上げれば、ドグラ戦はもちろん、その後のアシュラ、カオス戦まで一気に戦えるだろう。
　ただ残念ながら、ギル長老の台詞にもかかわらず、革命軍で彼女の魔力を発揮する場面はない。しかし、デューンの母親は作品中では不明なのだが……………ひょっとしたら………………。

　デューンたちの弟分。ダームでギル長老に育てられた孤児の一人。

　オープニングではデューンたちに泣きつく子供だが、未来世界ではSa･Ga世界を守るための革命軍のリーダーに成長。未来〜浮遊大陸、異次元世界で行動を共にする。正確には、浮遊大陸のミロクと戦う前にパーティーをはぐれ、そしてやられる。その後復活し、再びパーティーに加わるが、異次元世界に入るとまた別れる。この時までで1･2回目。3回目(攻略本などでは2回目)は異次元世界の地上から地下に行く時加わる。公式イラストはなかなかかっこいいが、彼を描く人は稀。
　彼の最大の特徴はその不死身さ。ボス戦を前に力尽きてしまうのでボスと戦う場面はないが、その都度ドクターボルフェスの医術で復活。その医術はもはや人間業ではない。
　同じ境遇で育ったネメシスと恋愛関係にあるようだが、描写が唐突すぎるので戸惑う。
　能力は人間としては問題なし。武器も優秀。魔法も補助系中心でデューンたちの助けとなることだろう。ただし、前述の通りボス戦には当てにならないのでその点に注意。

　ディオールと共に育てられた孤児。デューンたちの妹分…とは何故か呼ばれない。何故なのだろう。
　オープニングではディオールと一緒にべそをかいていた。未来世界では革命軍に参加し、立派な戦士に成長した…………はずだが、浮遊大陸のミロクに掠われ、さらに異次元世界へ身柄を移されてしまう。実は彼女は額に真紅のアザを持ち、異次元の神々の天敵である聖剣エクスカリバーを引き抜く力があったのだ。異次元ではフェンリルに囚われており、フェンリルを倒すと仲間に加わる。そして聖剣エクスカリバー入手後、地底世界への通行手形を手に入れると、地底への入り口でディオールと交代し、以降はステスロスに乗ったままになる。
　どうしてあっさり捕虜になったのかと思えるほど、実力は折り紙付き。しかし………シスター(修道女)。公式イラストはまさにシスターそのもの。でも魔法は苦手の肉体派。人呼んでまさかりシスター。どうしてこの格好で戦士なのか、知ってる人は教えて下さい。しかしこのインパクトのおかげで、ディオールよりは人気が高い。
　性格は意味不明。単に練り込み不足のせいだろうが、台詞が唐突すぎるので人格がはっきりしないのだ。彼女がステスロスに乗った後で話しかけると「私はもう足手まといだから、ここで待ちます。がんばって下さい」…ものすごく他人事に聞こえる台詞だなあ。また、デューンたちのレベルによっては嫌味にもなってしまう。
　一人称は「あたし」だが上にあるように「私(わたし)」も使う。漢字表記だと実はどちらも「私」だが。
　前出の通り、力が強いのでまさかり(鉞)でどんどん敵を伐り倒して行こう。回りの敵の強さを考えれば、ディオールより役立つかも。回復魔法を使わせるのもいいが、力を活かしてまさかりシスターとして活躍させるのが吉。ちなみに、英語版では宗教上の理由から、シスター姿ではなく普通の戦士になっている。

　デューンたちを滅びの未来から過去(ゲーム開始時の現在世界)へ送り込んだ張本人。
　その後方々で噂を聞くが、なかなか姿を見せない。もちろん革命軍と協力しているが、いつ現れたのか、メンバーなのかさえ実はよく分からない。そしてやっと出会えたと思ったら、用件だけ伝えてさっさと行ってしまう。そしてディオールを失い泣くデューンたちの前に現れ叱りつける。全く容赦がない。
　公式イラストでもクールな美形だが、英語版ではなぜか老人。英語版は全体的にバタ臭く描き変えられているが、彼の場合なまじ服装は変わらないだけに強烈。
　性格はミステリアス＆クール。台詞が多いわけではないが、彼の場合は見事にはまっている。余計なことは話さない厳しさを感じられるのだ。エンディングでのあれさえなければ……。
　一人称は「俺」と思う。
　前作の女神には及ばないが、全体的に最強に近い能力。HP990は、デューンたちのレベルが低い時はまさに命綱だろう。さらに、初期装備の防具が少ないが、裏返せば装備品の追加によるパワーアップの余地が大きいということ。出来れば「リボン」か「イージスの盾」のどちらかは装備させたい。惜しいのが武器が人間用の「グングニル」であること。聖剣は無理でも「サイコガン」なら通常攻撃でも活躍できたのだが。
　ネットに限っていえば、Sa･Ga3でトップといっていい人気を誇る。それはリンク集を見てもお判りいただけるかと思う。紹介文に書いて無くても、ボラージュは大抵扱われている。他の人物はもちろん、リメイクでさらに磨きを掛けて欲しい存在。そして、正体はいったい何なのかも解明が待たれる。

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