『時空の覇者 Sa・Ga3(以下『Sa・Ga3』)』は、GB版三部作で唯一主人公が固定されています。名前を変えられるとはいえ、種族、性別を変えられた前二作とは一変し、一般的なコンピュータRPGに近くなっています。また、ポルナレフとミルフィーは台詞自体が存在しないこともあって、ファンの評価はあまりよくありません(なお、『Romancing〜』以降は、主人公の境遇は固定されているが、ゲーム開始時に複数の主人公を選べる作品が多い。主人公として選んだ人物以外は、脇役としてゲームに関わることになる)。
しかし、それだけに想像力をかき立てられた部分がありました。デューン君とシリューさんの熱々ぶりを妄想したり、悪友ぶりを発揮するポルナレフ君にいつも怜悧なミルフィーさんを想像したり。特にデューン&シリューの相思相愛コンビは、二人を羨ましく思うくらい愛着を持ってしまいました。
せっかくメンバーが固定されているのですから、将来のリメイク版では是非とも彼等の人物像を膨らまして表現して欲しいと願っています。
種族 | 人間 |
---|---|
性別 | 男 |
年齢 | 15? |
属性 | 火 |
HP | 50 |
MP | 5 |
攻撃 | 6 |
防御 | 7(5) |
素早さ | 4 |
魔力 | 5 |
命中 | 76 |
回避率 | 2(0) |
魔法防御 | 2(0) |
魔法回避 | 2(0) |
装備 | ロングソード、 レザーアーマー |
魔法 | (未習得) |
*数値の()内は 装備を外した時 |
本編の主人公。異次元の神々に侵略された「Sa・Ga世界」の歴史を変えるため、ボラージュに「滅びの未来」よりタイムマシンで送り込まれた少年。異次元の神々によってSa・Ga世界に現れた「水瓶」より湧き出す大量の水と魔物によって、世界は水没寸前にまで追いつめられていたのだ。
デューンは幼くして過去に送られたため、親が誰かも知らない。デューンとその仲間はダームの長老ギルに育てられ、我が子のように可愛がられる傍ら、メルローズの元で戦いの特訓に励んでいた。
性格は、真面目で熱血漢。このあたりは正統派主人公。前作までの主人公に比べると突飛な言動は減り、丸くなった。ただ謀略で敵を騙すなど、頭は悪くないようだ。たまにギャグも飛ばすが、これはデューンというより制作者の性格といった方が良さそうだ。ちなみに、「Dune」は和訳すると「砂丘」。一人称は「僕」だが「俺」も使う。
彼の誕生は、ゲーム開始時の「現在世界」から15年後のことらしい。また、ギル長老がダームを築いたのは「現在世界」よりさらに15年前の「過去世界」以降のこと。恐らくデューン誕生後数年で「滅びの未来」といわれるどうにもならない状態になったと思われるので、ギル長老がダームで落ち着いたころの過去に送られたとすると、15歳が適当と思う。
初期装備は歴代の「にんげん おとこ」伝統のロングソードを持つ。Sa・Ga3では前作までとは違い、人間は武器、エスパーは魔法と特性がはっきり別れており、人間が魔法を使っても同じ魔力では半分の威力しかない。エスパーが武器を使った場合も同様(サイコダガーなどはこの限りではない)。よって余計なことは考えず、武器でがんがん戦うとよい。Lvは上がりやすいので、その辺の敵ならすぐ倒せるようになる。ただ、素早さが4人の中では最も低い。もっとも素早いポルナレフとの数値の差はLvが上がっても2で変わらないのだが、この差は意外と大きく、戦闘ではほぼ確実に攻撃が最後になってしまう。攻撃力も、実はシリューと同等(雪影さんによると、ステータスの攻撃+素早さで算出しているのではという)なので、後手に回るのは痛い。敵によっては種族で効果に差がない回復魔法でサポートに回った方がよいかも知れない。
Sa・Ga3が『UNLIMITED SaGa』のFLASHで無視された様は、はっきり言ってスクウェアの鬼子扱い。が、スクウェア・エニックス第一作となった『半熟英雄 対 3D』では将軍としてゲスト出演。攻略サイトなどを見た限りでは残念ながらあまり使える能力ではないようだ。内政はからきしダメの猪突猛進タイプで、攻撃力も後一歩という所か。ついでに趣味は意表をつかれた。
ここからは実際に遊んでみての感想。
まず、スタミナと人気が高いので、序盤の白兵戦では十分戦える。スタミナは消費中攻撃が倍増し、速度が上がる。人気は、高いと兵士の動きが速くなり、将軍が孤立しにくくなり、また一兵当たりの攻撃回数も増える(いずれもコマンド戦では無関係の能力)。スタミナを使って突撃を掛ければ、多少の不利は挽回出来るし、速攻に兵士が付いて来られるのは大きい。
しかし、中盤以降になると、少々の突撃では太刀打ち出来なくなる。素の能力の低さが、重荷になり始めるのだ。それどころか、たまご無し将軍には命綱の攻撃アイテム「切り札」を装備しても、陣形が不利だと苦戦を強いられるだろう。特に攻城戦で力は弱いが、防御の高い「防衛」タイプの将軍に籠もられると、涙が出るほど敵が堅くて苦戦する。一人抜きさえ、切り札の助け無しには困難だろう。おまけに、デューン自身の防御はかなり低いので、守勢に回るともろい。そして、持っていれば圧倒的に有利になる、エッグモンスター召喚のたまごは持っていない。
残念ながら、思い入れがないと最後まで使うのは難しい。将軍数制限が非常に厳しいゲーム(固定メンバーを除くと、自分の意志で雇える将軍は17人まで)なので、思い入れがなければ死地に送られる危険性大。やはり、デューンの扱いは甘い物ではなかった。エッグ持ちか、せめて攻撃と防御が1ずつ高ければ、使い勝手は結構変わったと思う。
それでも、私は最後まで連れて行き、最終ボスのとどめに彼を出陣させた。切り札の一種である「いっぱつエッグ(使い捨てのエグモン召喚)」を装備し、召喚した「バハムーチョ」でとどめを刺した時は感無量だった。
『半熟英雄』では前作(SFC、WSC版)にも『Romancing Sa・Ga』のグレイや『Final Fantasy 4』の主人公達がゲスト登場していたが、この作品は自社(旧スクウェア)作品人物のゲスト出演が飛躍的に増えている。だが、大量出演のため能力値のサービスが減っており、デューンとドングリの背比べが多いのが救いか。だが、この作品はエッグモンスターを召喚する「エッグ」の有無が重要なので、エッグ無しのデューン君の立場の悪さは明らか。それでも、ファンならば我慢出来れば使える能力でもある。この微妙さが愛おしくもある。
なお、対3DでのSa・Gaシリーズの扱いは、全体的にあまりよくない。ゲスト出演は12人だが、エッグ持ちはレッド(『SaGa Frontier』より)とギュスターヴ(『SaGa Frontier2』より)の二人だけ(平均では1/3強の将軍がエッグ持ち)。ちょっと酷いんでないの?
『半熟英雄 対 3D』での能力 性別:男 タイプ:特攻(敵城攻略型) 陣形:グンググーン(グー、チョキ、パーのグー) HP:53 スタミナ:83 攻撃:9 防御:3 素早さ:8 精神:4 内政:2 賃金:10 人気:84(低いと謀叛や出奔を起こす可能性がある) エッグ:無し 趣味:カードゲーム
続編の『半熟英雄4』にも引き続きゲスト出演していますが、こちらは未プレイなので遊び次第報告します。
ちなみに、同じくスクウェア大阪開発部制作の『ルドラの秘宝』の主人公もデューンという。こちらは「デューン同盟」が存在していた(*サイトは現在閉鎖されています)ほどの人気らしい。こっちも負けないぞ。
種族 | エスパー |
---|---|
性別 | 男 |
年齢 | 15? |
属性 | 風 |
HP | 40 |
MP | 45 |
攻撃 | 5 |
防御 | 6(4) |
素早さ | 6 |
魔力 | 11 |
命中 | 76 |
回避率 | 2(0) |
魔法防御 | 2(0) |
魔法回避 | 2(0) |
装備 | バトルハンマー、 レザーアーマー |
魔法 | (未習得) |
*数値の()内は 装備を外した時 |
デューンの親友。彼と共にボラージュの手により過去に送り込まれた。魔法を得意とし、特に攻撃魔法の潜在能力を評価されている。
繰り返しになるが、ポルナレフとミルフィーは、ゲームの最初から最後までデューンと行動を共にするのに、台詞が全くない。また、二人の親についてもゲーム中で一切触れられていない。かわいそうすぎる。
性格は台詞がないので公式イラストと能力値から想像するしかないが、デューンとは親友というより悪友という感じがする。デューンが考えすぎる場面でも、軽口を叩いていそうだ。メンバーの中で最も素早いのも、デューンと対照的。台詞があれば二枚目半のギャグ担当になっただろう。つっこみはミルフィー。一人称は「俺」と思う。
素早いので、エスパー用武器を持たせれば先制攻撃で活躍できる。初期装備のバトルハンマーはエスパーに不利なので、早めにサイコダガーを手に入れたい。ただし、魔力はミルフィーより低いので、設定とは裏腹に攻撃魔法の威力はミルフィーより劣る。それでも雑魚敵相手には問題ないが、ボス敵相手には彼を回復役に回した方が妥当か。私は他の種族にメンバーを変身させる時は、たいてい彼を変身させている(笑)。
種族 | エスパー |
---|---|
性別 | 女 |
年齢 | 15? |
属性 | 水 |
HP | 36 |
MP | 50 |
攻撃 | 4 |
防御 | 7(5) |
素早さ | 5 |
魔力 | 14 |
命中 | 76 |
回避率 | 2(0) |
魔法防御 | 4(0) |
魔法回避 | 3(0) |
装備 | ブロンズロッド、 スニーカー、 バンダナ |
魔法 | Lv1.ブリザド |
*数値の()内は 装備を外した時 |
デューン、ポルナレフと共に未来より送り込まれたエスパー少女。彼女もまた魔法を得意とし、治癒魔法の才能を評価されている。
性格はこれまた想像になるが、ポルナレフと異なり、彼女は本当に無口な感じ。ただし暗いのではなく、怜悧さを感じる。調子に乗るポルナレフをたしなめ、熟慮の末寸鉄人を刺す意見をしてくれそうだ。もっとも、ポルナレフに恋愛感情を持っているかは不明。また、Sa・Ga3の登場人物では、比較的人気がある。一人称は「私」と思う。
魔力は4人中最高で、MPも最高。しかも初めから「ブリザド」を持っている。さらに魔法防御力を持つ飾りも初めから持っており、魔法戦向きの能力設定だ。初めからその辺の敵はブリザド一撃で倒せる。HPは低いが、Lvをある程度上げればさほど問題ではなくなる。能力的には攻撃魔法担当で問題ないが、あえて設定通りの行動をさせるのも面白いだろう。ポルナレフもそうだが、雑魚にはエスパー用武器、強敵には魔法で戦うのが基本である。ロッド(杖)系の武器は一見エスパー用に見えるが、実は攻撃に使う限り、エスパーは不利である。アイテムとして使える場合もあるが、打撃攻撃にはサイコ系の武器を使うべきだろう。
Sa・Ga3では人気がある方だが、ネットで「ミルフィー」と検索しても、2004/8/28現在でのトップは明治乳業の粉ミルク「明治ミルフィー」(なお、Sa・Ga3のミルフィーはフランス語で「千枚の葉」の意味である。千葉じゃ人名らしくないなあ)であり、上位には『ギャラクシーエンジェル』のミルフィーユ・桜葉さんが幅を利かせている。彼女の愛称が「ミルフィー」なのでこちらはたまった物ではない(が、一時期ほど検索上位を独占してはいない)。彼女に恨みは全くないが、同名で飛び抜けて知名度の高い人物が現れると、それ以外が暗い陰に隠されてしまうのだ。トップの名声が高ければ高いほど…。
がんばって「ミルフィー」と言えばSa・Ga3、と言える世の中にしたい物。
デューン君と共に『半熟英雄 対 3D』にゲスト出演しているが、登録名はなぜか「ミルフィ」と伸ばさない。はっきり言ってデューン君よりはるかに有能(もっとも、素早さの低さはらしくないし、卵なしは相変わらずだ)。これじゃ主人公の立場がない。やっぱりスクウェアはスクウェア・エニックスになっても相変わらずだ(泣)。せめてシリューとセットで出して欲しかった…。それと趣味のTシャツって。
『半熟英雄 対 3D』プレイ後の感想はここから。
確かに防御は最大値だし、切り札や城守り時のみ使える「奥の手」の威力に影響する精神も高い。さらに、スタミナの高さはデューン以上で、HPも何故か上回っている。
しかし、素早さは最下位であり、攻撃も低いため、自ら攻撃するには全くの不向き。スタミナを消費しても敵に与えるダメージは微々たる物。実戦では、ほとんど動けず耐えるだけになってしまう。城防衛専用と割り切り、不利な陣形にならないよう陣形変更の切り札を装備していれば十二分に使えるのだが、ちょっと物足りない。もう少し素早ければ…。
もちろん、野戦、まして攻城戦に立たせてはならない。味方の城を移動する時も、敵部隊に接触しないよう、細心の注意を払う必要がある。
『半熟英雄 対 3D』での能力 性別:女 タイプ:防衛 陣形:グンググーン HP:60 スタミナ:91 攻撃:2 防御:15 素早さ:1 精神:14 内政:12 賃金:10 人気:53 エッグ:無し 趣味:Tシャツ
種族 | 人間 |
---|---|
性別 | 女 |
年齢 | 15? |
属性 | 地 |
HP | 46 |
MP | 5 |
攻撃 | 5 |
防御 | 8(6) |
素早さ | 5 |
魔力 | 8 |
命中 | 76 |
回避率 | 2(0) |
魔法防御 | 2(0) |
魔法回避 | 2(0) |
装備 | バトルハンマー、 かわのぼうし、 スニーカー |
魔法 | (未習得) |
*数値の()内は 装備を外した時 |
ギル長老の孫娘。4人の中で彼女だけは現代人。美しい少女だが、優れた敏捷性と戦闘能力を生まれ持ち、長老仕込みの武術をこなす武道家。最初は留守番をすることになったが、意を決してメルローズの手引きで出発したデューンたちの後を追い、ついに長老も折れてデューンたちとの同行を許した。デューンとは相思相愛。
過去世界には彼女は登場しないが、ギル長老が新しい町に落ち着くまで別のところに預けていた可能性もある。または、両親に先立たれたため祖父の元に預けられたのかも知れない。そう考えると、4人が4人ともまともに親元で育っていないことになる。実年齢はデューンたちより30年上。
性格はやや引っ込み思案な感じ。デューンたちについて行くと決意するも、いざとなると尻込みしてしまう所がある。だが、未来世界でメルローズを見て「随分老けたのね」と言い放つなど、案外無遠慮な所もある。きっと一度うち解けた相手にはとことん懐くのだろう。あ〜〜っ、デューン君が羨ましいっ! 近年人気上昇中?
一人称は「私」。
こう書くとちょっと弱そうだが、能力ははっきり言って強い。攻撃力はデューンと同等で、しかも素早さは上なので、一騎打ちしたら確実にデューンがのされてしまうだろう。防御が4人で最も高く、僅かだが打たれ強いのも特徴だ。初期設定では魔力もそこそこ高いが、魔法の威力は低いので回復以外無理に使う必要はない。普通の武器もいいが、ヌンチャクやブーメラン、手裏剣などの得物を使うと感じが出る。もちろんデューンはハリセンだ(笑)。
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